彼は、美紀の目をじっと見つめる。
それから思い切ったように話し始めた。
「あなたもお会いになったとおり、
僕には妻も娘もいます。
でも、あなたがしばらく美術館にみえなくなって、
もうあなたは来ないかもしれないと思ったら
誘わずにはいられなくなって・・・。
都合のいいお願いだと分かっています。
でも時々こうして会ってもらえませんか。」
美紀は驚いて何も言えない。
彼の目は真剣そのものだ。
目をそらしたいのに、そらすことができない。
思わずうなずきそうになる自分がいる。
でも、奥さんがいることを知っているのに、
こうして会うことなんてできない。
どんなに彼に魅かれても、
彼を好きになっても
彼には家族がいる。
その事実は、どうすることもできない。
やっと人を好きになれそうだったのに、
どうしてうまくいかないんだろう。
〈iyokanからのお願い☆〉
読んでいただいて、ありがとうございます。
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