小学校を卒業して、
誰も知る人のいない私立中学にいっても、
由美はいつも誰かが自分の悪口を言っているような気がしていた。
誰のことも信用できなかった。
それなのに、25になって、
うかつにもまた信じてもいいのかなと思ってしまった。。
それも恋愛という一番無防備な形で。
そして、また15年前と同じ「デブ」という言葉で終わった。
同じことの繰り返し。
それなら好きなだけ食べてデブになってやろうと思った。
100kgを超えても、デブで何が悪い?と思っていた。
やせる努力をする自分なんて許せなかった。
でも、25年前にとらわれていたのは私自身?
由美は考えずにいられない。
「ずっと気にしていた」とか「ごめんなさい」
という言葉がどこまで本当かは分からない。
「私の25年間を返してよ」とも言えない。
でも、もう次に進んでもいいのかな。
25年間ずっと、やせる自分、幸せになる自分を許せなかった。
デブだからという理由で。
もうデブをやめる努力をしてもいいのかな。
幸せになる権利あるのかな。
小学校時代のこと、
「いじめ」とかそんな言葉で片付けたくなかった。
でもどんなに時が流れても、
どうしても由美の中から消えなかった。
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