旅立ち(1)

「いってらっしゃ~い」

家族を見送った後、どっと脱力する舞。

旦那と子供たちを送り出す朝は、

毎日それだけで闘いだ。

でももう結婚して15年。すっかり慣れてしまった光景。

夢中で子育てをしている間にいつの間にか37になってた。

リビングに戻って、ソファーにどかっと体を投げ出す。

つけっ放しのテレビを何気なく見る。

今人気絶頂の女優が離婚会見をしている。

妙にさばさばとした感じだ。

確か去年「長男誕生」喜びの会見をしてた女優だ。

「子供をどうするつもりかしら。」

この種の会見をみると、いつも子供のことが気になってしまう。

子供って産んでしまえばいつの間にか育つけど、

放っておくわけにも行かない。

いつもいつも貪欲に愛情を欲している。

「きっとその愛情は他人ではだめなんだ」

と舞は思っていた。

だからこそバック、洋服、子供の持ち物はできるだけ手作り。

もちろん毎日のおやつも自分で作っていた。

しばらくソファーに座っていたが、

セットしておいた洗濯物がもうできる頃だ。

今干さなければ夕方には乾かない。

洗濯が終わったら買い物。

買い物は朝一番に行くと、目玉商品があるから朝行くことに決めていた。

そして帰ってきたら掃除。子供たちのおやつの支度・・・。

専業主婦だって忙しい。

「子供を産まない女性が増えているというけど、

結局わがままだから子供がもてないんだわ。

子供のかわいさを知らないのよね。」

舞は思っていた。

家族の世話をすること、それが舞の幸せだった。


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