その美術展は「当たり」だった。
日本の美術館は狭い。
美術展の良し悪しは、
その狭い展示スペースに
どれだけいい画が集められるかにかかっている。
1枚でもお気に入りの画を見つけて
そこから何かを感じ取れれば
美術展に行った価値があるのだろうけど、
いい画がそろっていればいるほどその確率は高くなるからだ。
でも、美紀は全然画に集中できない。
「これは、いい画だな。」
と思ってもその世界に入り込むことができない。
それは、彼との約束があるから。
何となくうわの空で美術展を一巡したあと、
美紀は「これ!」と思った画の前に戻ってくる。
美紀の大好きな画家の画。
そして、彼の大好きな画家の画。
彼もきっとこの画が一番好きだろう。
話さなくても分かってしまう。
何となく。
そして、声をかけられるとしたら
この画の前だろう。
〈iyokanからのお願い☆〉
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